名古屋近郊で本格的な日本料理を味わうなら、ぜひ「小伴天」へ。熟練の技で焼き上げたうなぎや洗練された会席料理、地元の旬の食材を使った季節料理など、ここでしか味わえない特別な料理を楽しめます。
2025.05.08愛知県は、伝統的な”HAKKO(発酵)食文化”に根ざした職人技術や食文化で広く知られています。愛知県の中心都市である名古屋は、こうした地域の特産や魅力を発信する拠点となっていますが、名古屋からちょっと足を伸ばすことで、それらのルーツや本当の魅力をより深く知ることができます。
例えば、名古屋名物ひつまぶしは、三河湾に面した西尾などの沿岸都市から仕入れたうなぎを使用しています。西尾の一色地区は、特にうなぎの養殖の産地として知られています。一色産のうなぎは、質の高さと脂のりの良さで知られています。
この極上のうなぎを使った料理を堪能するには、一色産のうなぎをふんだんに使った料理が自慢の、碧南市にある「日本料理 小伴天」を訪れてみましょう。このレストランは、名鉄線碧南中央駅から徒歩約15分とアクセスも便利です。地元では特別な日やお祝いごとに利用される食事処として親しまれており、2019年にミシュランガイド愛知に掲載されたことで、碧南市外にもその評判が広まりました。
「日本料理 小伴天」の歴史と特徴

三河湾 Photo by Pixta
ひつまぶしや各種うなぎ料理、洗練された会席料理を提供する日本料理店「小伴天」では、三河湾や地元で採れた新鮮な食材を使った本格的な味わいを楽しんでいただけます。
1920年に創業したこの料理店では、地域の特産品であるうなぎや、真鯛・サワラなどのシーフード、いちじくや人参などの農産物にこだわっています。みりんや白しょうゆの名産地である碧南市に店を構えることで、小伴天は地域の味へのこだわりを一層強めています。

小伴天の料理長、長田健太氏は、伝統と革新を融合させた独自の料理を提供しています。兵庫県神戸市やその他の都市で修業を積んだ長田氏は、家族から受け継いだ料理の伝統を重んじながら、季節ごとに地元の食材を際立たせる新しい調理法を探究しています。
小伴天の料理は、碧南に古くから受け継がれる、儀式や祝いの席で人々が手間をかけて料理を用意する文化に着想を得ています。押し寿司、ちらし寿司、煮物といった品々には、この地域ならではのおもてなしの心が丁寧に表現されています。
小伴天での食事は、日本料理の美しさと味わいを堪能できる特別な体験です。会席料理、うなぎ料理、定食、どのコースを選んでも、料理はまるで宝石のように美しく、一口ごとに素材の旨みと職人の技が感じられ、旬の食材を活かした本格的な味わいを、心ゆくまで楽しめます。
さらに、小伴天の魅力は味だけにとどまりません。視覚でも楽しめるように、色彩豊かな盛り付けと選び抜かれた器で一皿一皿を丁寧に演出しています。
小伴天の看板メニュー:炭焼きひつまぶしとうなぎ料理

Picture courtesy of Japanese cuisine KOBANTEN
日本では、うなぎは栄養価が高いことで知られており、特に8月には厳しい夏の暑さを乗り切るために食べる習慣があります。
小伴天は100年以上の歴史を誇り、炭火で焼き上げたひつまぶしやうな重、うなぎの蒲焼き、うなぎ寿司など、さまざまなうなぎ料理を楽しめます。うなぎの名産地である西尾産のうなぎが主に使われていますが、季節によっては、日本各地の最も質の良いうなぎが提供されます。
また、うなぎ本来の美味しさを引き出すために、焼き方とタレには細心の注意が払われています。
小伴天のタレは、地元産の5種類のたまり醤油(熟成醤油)、碧南の高品質なみりん、そして双目糖を使い、じっくりと煮詰めて作られています。1ヶ月以上熟成されるタレは、創業以来使い続けている元ダレに継ぎ足しながら、その深い味わいを守り続けています。
理想の食感と風味を実現するために、小伴天のうなぎ職人である長田英三氏は、季節やうなぎの状態に応じて、火力や炭の量、置く位置などを慎重に調整し、何度も裏返して焼いていきます。この緻密な技術によって、つややかな照りとパリパリに焼けた皮、そして身はふわっと柔らかくとろけるような焼き上がりが実現します。

忘れられないうなぎの味を楽しみたければ、小伴天の炭焼きひつまぶしを、ぜひ、お試しください。名古屋名物のひつまぶしは、香ばしく焼いたうなぎのスライスをご飯の上にのせ、三通りの食べ方で楽しむのが伝統的です。まずはそのまま、次にネギやわさびなどの薬味を添えて、そして、最後は熱々の出汁をかけて”お茶漬け”風に味わいます。
小伴天では、抹茶パウダーやあられなど、ユニークなトッピングが特徴的で、一口ごとにさまざまな味わいを楽しむことができます。

私たちがいただいた炭焼きひつまぶしは格別でした!タレの自然な甘みがうなぎの旨味をひき立て、絶品の味わいでした。トッピングごとに異なる味を楽しめるのも小伴天ならではです。わさびとネギは爽やかなアクセントを加え、抹茶パウダーはほのかな苦みと深みを演出し、あられは心地よい食感を添えてくれます。特に、お茶漬けスタイルがまた格別で、熱々のお出汁がうなぎの旨みを引き出し、まろやかで豊かな風味の一杯に仕上げてくれます。
ボリュームがあって、スタミナのつく食事を求める旅行者には、炭焼きひつまぶしはお薦めです。その他にも、小伴天ではさまざまなうなぎ料理を提供しており、それぞれが格別の味わいを楽しめる逸品となっています。
定番メニューと様々な料理の組み合わせ: 小伴天の季節限定メニュー

Picture courtesy of Japanese cuisine KOBANTEN
小伴天の優雅な会席料理はハレの日などの特別なシーンや伝統的な高級日本料理を楽しみたい方に最適です。また、メインディッシュ、スープ、サイドディッシュ、漬物、デザートを含む様々なコースメニューもあります。
特別な味覚の旅を楽しみたい方は、季節限定のコースメニューを、ぜひ、ご検討ください。 料理長が考案したこれらのメニューは、真鯛、ふぐ(河豚)、地元で有名なイチジクなど、旬の食材をふんだんに活かしています。季節限定コースは2~3ヶ月の期間限定で提供されます。

私たちは、地元の八丁味噌メーカー(岡崎市のまるや八丁味噌)とコラボレーションした長田料理長考案の八丁味噌フォンデュを楽しみました。それは2025年の春に2か月間限定の季節料理コースで、野菜・揚げ物・うなぎを濃厚で温かい八丁味噌ソースに浸して食べます。カカオマス、ネギ、マスタード、パルメザンチーズなどのユニークなトッピングも用意され、自分の好みで味をカスタマイズできました。

特に印象的だったのは、八丁味噌そのものです。八丁味噌は名古屋名物で、大豆と塩のみを原料とし、最低2年間熟成させた味噌です。濃い赤褐色と強い旨味が特徴的で、岡崎市の八丁町は、この味噌の発祥地として広く知られています。

小伴天の八丁味噌フォンデュは、地域の食材を独自のスタイルで見事に組み合わせた一品です。濃厚で旨味の強い八丁味噌と香ばしく焼かれたうなぎという意外な組み合わせも、新鮮な青ねぎが加わることで絶妙なバランスに仕上がっています。マスタードやパルメザンチーズをひとふりすれば、さらに料理の印象が変わり、名古屋料理の奥深さとシェフの創造力が感じられます。

小伴天のコースメニューの最後を飾るデザートも独創的で素晴らしいです。バニラアイスクリームに柿や苺などの果物に八丁味噌を添えたものや、白醤油の街である碧南ならではの白醤油を使ったプディングにチェリートマトのコンポートを添えたものなど、ユニークな組み合わせを試してみてください。これらの色鮮やかで素晴らしいデザートは、食事に特別な彩りを添えます。
小伴天での食事は、料理長の遊び心あふれる創造性と、一品一品を調理する卓越した技術を目の当たりにできる、まさに驚きの体験です。名古屋で本当に思い出に残る料理体験をお望みなら、小伴天を行き先リストの上位にしてみてはいかがでしょうか?
まとめ

今回私たちが注目した「日本料理 小伴天」は、白醤油やみりんで知られる碧南市にある隠れた名店です。
名古屋名物のひつまぶしや、季節の食材を活かしたコース料理を楽しむなら、小伴天をお薦めします。店内には、個室のテーブル席から大広間の座敷まで、さまざまなタイプの席が用意されていますので、日本ならではの特別な食事空間を体験できます。さらに、日本らしい美しい装飾や季節の花々が飾られ、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しめます。
名古屋の賑やかな都市部とは異なり、碧南は静かで穏やかな空気が流れる街です。そのため、訪れる人々は料理をじっくりと味わいながら、料理人の技を存分に堪能することができるでしょう。
アクセス
小伴天は、名鉄線「碧南中央駅」から徒歩15分の便利な場所に位置しています。「碧南中央駅」までは、名古屋から電車で約1時間。中部国際空港セントレアから約1時間30分でアクセスできます。