What's HAKKO
発酵で食材はよりおいしく・健康的な食品へ
チーズやザワークラウト、ヨーグルト、ワイン、キムチなど発酵食品は世界中で親しまれています。冷蔵庫が無い時代に、塩や菌の力を借りて食品を長く保存するための知恵として生まれました。

原料となる食材(牛乳や野菜・果物)に、人間にとって良い菌が増えることで、よりおいしく・より健康に良い食材になることを「発酵」と呼び、それらの食品のことを「発酵食品」と言います。

日本にも数多くの発酵食品があり、日本酒(Sake)や醤油(Soy Sauce)、味噌(Miso)は世界的にも有名です。その他にも、納豆や漬物、魚醤など全国各地に地域ごとの発酵食品があります。

日本の発酵食品は、米を原料とする「麹」を使って作るのが特徴です。「麹」は中国から入ってきたと言われますが、中国では麦や大豆で「麹」を作る点が日本と異なります。
和食を支える発酵調味料
和食(Washoku)は「日本人の伝統的な食文化」として2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され、健康的でおいしい食を楽しめると、世界中で人気が高まっています。

和食は「食材の味わいを活かす料理」でもありますが、実はその立役者となっているのが和食の基本調味料です。これらの基本調味料のことをまとめて、「和食(和食料理における)のさしすせそ」と呼んでいます。和食料理におけるABCです。
さ → さとう(砂糖)、さけ(日本酒)
し → しお(塩)
す → す(酢)
せ → せうゆ(しょうゆ・醤油)
そ → みそ(味噌)
これらの基本調味料は、塩と砂糖を除いてすべて「発酵調味料」です。つまり、発酵調味料がないと和食は作れないと言っても過言ではありません。そして、なんと!この和食を支える発酵調味料のすべての蔵が名古屋には揃っています。”地産地消”を調味料も含めて徹底できることが、名古屋のすごさなんです。
※味醂は「さ」がつきませんが、甘味のある酒として「さ」に含めることがあります。
名古屋の発酵調味料には何百年という悠久の歴史が刻まれており、それが今なお脈々と受け継がれています。幅広く味わい深い名古屋の発酵の旅へようこそ。

寿司から紐解く名古屋の発酵
世界中で大人気の「お寿司」。では、お寿司がのったテーブルをのぞいてみましょう。ご飯の上に新鮮な魚がのったお寿司の数々。そしてお味噌汁。日本酒もあれば最高!実はこの食事の食材を紐解いていくと名古屋で全てまかなうことができます。

酢飯
たまご焼き
刺身醤油
甘ダレ
味噌汁(赤だし)
日本酒
シャリ = 米 + 酢 + 塩 + 砂糖

お寿司のご飯(シャリ)。お寿司に使われるご飯には、お酢と塩とお砂糖を合わせた調味料で味付けされています(酢飯)。
今やジャパニーズ・フード(Japanese Food)の代名詞とも言える ”SUSHI” が江戸で大ブームとなったのは、かつて高級だったお酢が安く庶民の手に入るようになったからでした。その立役者となったのが、半田市のミツカン酢です。

たまご焼き = 白醤油 + 三河みりん

ご飯の上にのっている食材(ネタ)に注目!例えば、たまごの寿司のたまご焼きを紐解くと、白醤油とみりんで味がつけられています。
たまごのキレイな黄色を活かしつつも塩味と甘味をつけるのが白醤油。そして、さらに甘味を加えるためのみりん。碧南市は白醤油発祥の地と言われ、白醤油を専業とする3蔵があります。そして、江戸時代に江戸で寿司と共に流行していたうなぎ屋や蕎麦屋がこぞって使用していた三河みりんも碧南市出身。際立ったコクとうま味、芳醇な香りと奥深い風味は、他とは一線を画しています。
刺身醤油 = たまり醤油

お寿司の横には醤油。愛知県では刺身に使う醤油と言えば「たまり醤油」のこと。広く流通している醤油(濃口醤油)とたまり醤油を使い分けています。小麦を少量しか使用せず、大豆を90~100%使用した濃厚なうま味の塊であるたまり醤油。たまり醤油は元々、豆味噌から染み出てきた液体が美味しかったために味噌とは別で作り始めたと言われています。武豊町には大豆100%でたまり醤油や豆味噌を仕込む蔵がひしめき合っています。
甘ダレ = たまり醤油 + 三河みりん

江戸で寿司と共に人気が出ていた鰻のかば焼き。鰻のかば焼きに使うタレと、アナゴ寿司のタレはたまり醤油(武豊町)と三河みりん(碧南市)でつくることができます。
味噌汁(赤だし) = 豆味噌 + 米味噌

お味噌汁は豆みそと米味噌という2種類の味噌をブレンドした、この地域特有の「赤だし」です。愛知県内に豆味噌蔵はたくさんありますが、それらと一線を画すのが岡崎市の八丁味噌。木桶に入った味噌の上に石を山のように積み上げ、2~3年寝かせて作る味噌。煮込めば煮込むほどおいしくなる味噌です。
日本酒 = 日本酒 + 常滑焼の酒器

中部国際空港から最も近い常滑市。うま味が強い愛知の料理にあう濃厚な日本酒に始まり、今では世界に誇る様々なタイプの日本酒が生み出されています。常滑市は1000年の歴史を持つ焼物「常滑焼」の産地でもあります。