味処　叶

1949年創業の「味処 叶」は、名古屋のご当地グルメ・味噌カツ発祥の店。天丼のタレをヒントに「醤油で天丼ができるなら、味噌でも同じことができるはず」という先代の考えから、味噌カツが生まれました。当時から味噌は、岡崎の豆味噌を使用しています。 現在の2代目店主・杉本徳雄さんは、お店を継いですぐ「夏と冬で来客数に差があること」に着目。どんな季節でも食べやすい味噌カツ作りに励み、毎日気候や気温によって味噌の味を調整していると言います。 そのこだわりは、豆味噌を作っている蔵にも協力してもらうほど。「豆味噌を仕込んでいる樽の端から味噌を卸してほしい」とお願いし、一心に味噌カツに向き合っています。 揚がったカツは、味噌ダレをかけて完成かと思いきや、味噌の中でカツを煮込むのだそう。この一手間で、衣の中に味噌が染み込み、ジューシーで味わい深い味噌カツになると言います。 実際に食べてみると、口の中でじゅんわりと味噌の風味が広がり、カツの力強さがダイレクトに感じられます。甘みのある味噌ダレが白米、そして卵とよく合い、どんどん箸が進んでしまいます。 その時々の空気感から、1番美味しい味噌カツが提供される「味処 叶」。味噌カツ発祥の店にて、日々進化する逸品を堪能してみてくださいね。