名古屋を訪れたら、味わわずにはいられないのが味噌料理!味噌カツ、味噌煮込みうどん、味噌おでん……名古屋には、味噌を使った料理がたくさんあります。かつてのサムライたちも愛したという名古屋の味噌を五感で味わおう!
2026.09.30日本でここだけ?黒い味噌
日本に来たら一度は味噌汁を飲んだことがあるのではないでしょうか?しかし、名古屋の味噌汁を初めて見る人が驚くのはその「色」!

なぜこんなに真っ黒なのでしょうか?
実は名古屋の味噌料理に使われているのは、「豆味噌」という種類の味噌。大豆と塩と水で造られ、長い時間をかけて熟成されるため、一般的な米味噌よりも色が濃くなっています。色だけではなく、しっかりとしたうま味があり、煮込めば煮込むほどおいしくなるのが特徴。だからこそ、味噌煮込みうどんや味噌おでんなどにピッタリなんです。

名古屋の発酵食を旅するなら、食べるだけではもったいない!その一皿の奥にある歴史や文化、人々の暮らしを知れば、さらに豆味噌が好きになるはず!
豆味噌を食べてサムライ気分!
名古屋の豆味噌を語るとき、ぜひ知っておきたいのが「サムライ」とのつながり。
名古屋がある愛知県は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という天下統一を果たしたサムライをはじめ、その他にも多くのサムライを生んだ「サムライのふるさと」。戦国時代に、この地域では豆味噌が保存性のある食料として重宝されたとされ、合戦の際の栄養源として味噌が活用されたと言われています。

なかでも、200年の平和を築いた徳川家康は、特に豆味噌を好んで食べたと伝えられています。健康に気を使い、寿命が37~38歳だった時代に75歳まで生きました。豆味噌を大変重要な食品であると位置づけ、その製造方法を他地域には門外不出した、とまで言われています。
もちろん、「豆味噌を食べたからサムライが強かった」と言い切ることはできません。でも、長い戦いの日々を支える食として、保存性があり、栄養価の高い味噌が重宝されたという背景を知ると、味噌が少し違って見えてきませんか?

そして、この食文化は戦国時代だけで終わりませんでした。名古屋ではその後も豆味噌の醸造が続き、現在の「なごやめし」にまでつながっています。
名古屋の味噌料理を食べる時、400年以上前から続く土地の記憶にも、少しだけ思いを巡らせてみては?
味噌汁だけでは終わらない!豆味噌料理のアラカルト
豆味噌の面白さは、「味噌汁をつくる材料」だけではないこと。名古屋では、豆味噌が料理そのものの個性をつくっています。
豆味噌ビギナーにおススメ!甘味とうま味の掛け算「味噌カツ」

「豆味噌の味がちょっと苦手…」という方でも甘味を足せば「あら美味しい!」。豆味噌ビギナーにおススメなのが、名古屋めしの代表格「味噌カツ」。揚げたてのカツに、豆味噌をベースにした甘辛いタレをたっぷり。店によってタレの濃さや甘さ、カツへの合わせ方が違うので、食べ比べてみるのも楽しいところです。
これぞ豆味噌!あつあつふぅふぅ「味噌煮込みうどん」

もう一品なら「味噌煮込みうどん」。土鍋でぐつぐつ煮込んでも味噌の風味がしっかり残るのは、豆味噌ならでは。専用の麺を使い、熱々のままいただきます。
他にも色々!豆味噌の楽しみ方は無限大

さらに、味噌おでん、どて煮、味噌田楽など、豆味噌を使った料理はまだまだあります。名古屋では、豆味噌の濃厚なうま味を「かける」「煮込む」「つける」と、料理に合わせて使い分けてきました。
豆味噌のおいしさを感じた後は、実際に豆味噌を作っている蔵へGO!
豆味噌が生まれる、その場所へ
豆味噌の面白さをもっと知りたいなら、実際に蔵を訪れてみましょう。先にご紹介した八丁味噌のふるさと以外にも、愛知県には豆味噌の蔵がたくさんあります。
蔵の見学では、料理を食べるだけではわからない「時間」や「手仕事」に触れられます。味噌料理を食べ、それを造っている蔵元を訪れる。蔵の香りや木桶に触れると、豆味噌が単なる調味料ではなく、土地の歴史や文化を今に伝える存在であると感じられるでしょう。
サムライが愛した八丁味噌の故郷を巡る
八丁味噌の生まれ故郷は、愛知県岡崎市。徳川家康ゆかりの岡崎城から八丁(約870m)ほどの場所で造られたことから、その名が付いたとされています。
まるや八丁味噌、カクキュー八丁味噌の2社は、江戸時代から続く味噌蔵で、特に印象的なのが、巨大な木桶とその上に積み上げられた重石。豆味噌は、大豆、塩、水を使い、約3年という時間をかけて熟成させます。
どちらも予約不要で無料の蔵見学ができるので、旅行者にも嬉しい。
他にもたくさん!豆味噌スポット

武豊町にある「中定商店」は明治12年創業の醸造蔵で、国産大豆と食塩を原料に、天然醸造による味噌・たまりを造り続けています。豆味噌の醸造過程で生まれたとされる「たまり醤油」の話も聞けば、味噌と醤油が別々のものではなく、地域の醸造文化の中でつながっていることも感じられるはず。
岐阜市には、英語で蔵見学もさせてくれる「芋慶」があります。昔ながらの変わらない製造方法と、最新機械を導入した管理方法というハイブリットな蔵。直売所も充実しているのでお買い物だけでも楽しめます。
名古屋駅からタクシーで20分という好立地にある「佐藤醸造」では、木桶の天然醸造仕込みの豆味噌蔵見学と、それを使ったパンやスイーツなどが味わえます。
旅を五感で振り返る
旅の最後は、豆味噌をお土産に。
おすすめは、まず豆味噌そのもの。帰国後に味噌汁や炒め物、肉料理などに使って、旅の味をもう一度楽しめます。下の記事には、和食だけではない「豆味噌」の簡単レシピが掲載されています。ぜひ自国に帰った後に作ってみてくださいね!
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【レシピ付】旅のあとにも名古屋を味わう。白醤油・三河味淋・豆味噌の使い方ガイド
2026.07.08
「料理はちょっと難しそう」という人には、味噌を使った加工品もおすすめです。「味の蔵たけとよ」には、武豊町や知多半島の豆味噌・たまり醤油を使ったさまざまな商品があります。味噌カステラのようなスイーツもあり、誰にでも喜ばれるお土産に。
名古屋市内なら「ピピッと!あいち」がアクセス抜群。豆味噌、たまり醤油、白醤油、酢など、愛知の発酵調味料がそろい、旅の最後のお土産探しにもぴったりです。
もし買い忘れても大丈夫!中部国際空港の中にも豆味噌のお土産が揃っています!
味噌カツを食べて、味噌煮込みうどんを食べ、蔵で豆味噌ができるまでを見て、最後にお気に入りの一品を持ち帰る・・・最初は「濃い色の味噌」にしか見えなかったものが、見て触れて味わうことで名古屋の歴史や暮らしを感じるものになるのでは?