味噌・醤油・みりん・日本酒など、日本の発酵食文化が根付く愛知・岐阜エリアを巡る3泊4日の旅程を紹介。八丁味噌の蔵元、みりんの老舗、飛騨高山の酒蔵など、効率よく周遊できるモデルコースです。
2026.05.25-
目次
- 名古屋と発酵食文化
- Day 1: 名古屋〜武豊・碧南:醤油とみりんのルーツを訪ねる
- Day 2: 岡崎で八丁味噌の故郷を訪ねる
- Day 3:岐阜で発酵食文化と長良川の恵みを体感
- Day 4:飛騨高山で朴葉味噌と地酒を味わう旅の締めくくり
- 発酵食をめぐる旅をしよう
名古屋と発酵食文化

東京と大阪の中間地点にある名古屋周辺は、日本でも独自の発酵食文化が色濃く残るエリアです。味噌、醤油、みりん、日本酒——日々の食を支える発酵調味料の多くが、この地域で独自の進化を遂げてきました。北に目を向ければ、北アルプスの雪解け水に育まれた飛騨高山の地酒や朴葉味噌など、山岳地帯ならではの発酵食文化も息づいています。
本記事では、名古屋から岐阜、飛騨高山へと巡りながら、日本の発酵食文化を体感できる3泊4日のモデルコースをご紹介します。各スポットの詳細はリンク先の記事で紹介しているので、気になる場所はぜひチェックしてみてください。
Day 1: 名古屋〜武豊・碧南:醤油とみりんのルーツを訪ねる
名古屋名物「ひつまぶし」から旅をスタート

旅の始まりは、名古屋を代表するグルメ「ひつまぶし」から。香ばしく焼き上げた鰻に、醤油やみりんをベースにした甘辛いタレが絡み、発酵調味料の旨味をダイレクトに感じられる一品です。
そのまま味わうだけでなく、出汁をかけてお茶漬けとして楽しむなど、味の変化も魅力のひとつです。まずはJR名古屋駅周辺でひつまぶしを味わい、発酵グルメの旅をはじめましょう。
武豊|中定商店でたまり醤油の蔵を見学(名古屋から電車で約35分)

愛知県・知多半島の武豊町は、「たまり醤油」の名産地。大豆を主原料に仕込まれるたまり醤油は、一般的な醤油に比べて旨味が濃く、とろみのある味わいが特徴です。
老舗蔵「中定商店」では、前日までに電話で予約をすれば、伝統的な製法を間近で見学することができます。長い時間をかけて育まれる発酵の過程を知ることで、日常の食卓にある醤油の見え方も変わるはずです。
たまり醤油の製法や味わいの違いは、以下の記事で詳しく紹介しています。
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2025.09.12
碧南|九重味淋でみりんの魅力を体験(武豊から車で約15分)

愛知県碧南市にある九重味淋は250年以上の歴史があり、「三河みりん」発祥の蔵として有名です。武豊の中定商店から碧南の九重味淋へは、タクシーを利用すると約15分程度で到着します(公共交通機関を利用すると約1時間程度)。
三河みりんや発酵食品をふんだんに使用したご飯やスイーツ、ドリンクを味わえるのが「Restaurant & Cafe K庵」です。甘みを加えるだけでなく、料理にコクや旨味を与えるみりんの役割を、実際に味わいながら体感できます。

九重味淋では、蔵の見学を希望日の1ヶ月前〜前日の12:00まで受付しています。見学は10時からはじまるため、見学予約ができた場合は、先に九重味淋を訪問し、その後に武豊へ向かいましょう。併設ショップでは実際に商品を購入できるため、自宅でも味醂の奥深い味を楽しむことができます。
みりんの発酵プロセスや料理への活かし方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
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2025.09.12
九重味淋見学後は、翌日の岡崎観光に備え、JR岡崎駅周辺または名古屋駅周辺に宿泊するのがおすすめです。
Day 2: 岡崎で八丁味噌の故郷を訪ねる

たまり醤油や味醂のほかにも、愛知県には多くの人に親しまれている発酵食があります。愛知県岡崎市で作られる八丁味噌はその代表です。大豆と塩のみを使い、長期熟成させることで生まれる濃厚な旨味が特徴です。
午前:カクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)を見学

カクキューの施設「八丁味噌の郷」では、八丁味噌の味噌蔵を見学できます。何百年も変わらない製法が今も受け継がれており、日本の発酵食文化の奥深さを感じられます。施設内のショップでは実際に八丁味噌を購入することも可能です。
ランチ:岡崎 カクキュー 八丁村 (カクキュー直営の食事処)

蔵見学のあとは、味噌煮込みうどんや味噌カツなど、八丁味噌を使った料理を楽しみましょう。同じ味噌でも、地域によって味わいが大きく異なることを実感できます。
岡崎 カクキュー 八丁村は予約を受け付けていないため、直接お店を訪ねて席を確保しましょう。
午後:徳川家康の出生地・岡崎城を訪ねる

岡崎市を訪れたら、岡崎城の見学は外せません。岡崎城は、江戸幕府(1603〜1868年)を開いた武将・徳川家康の出生地として知られる歴史的スポット。発酵食文化とともに、この地域の歴史的背景にも触れることで、旅の理解がより深まります。
江戸幕府を開いた武将ゆかりの岡崎城を中心に岡崎公園が整備されており、一帯は訪れた人の憩いの場となっています。
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徳川将軍ゆかりの岡崎の特産品 | 約400年の歴史がある「八丁味噌」の故郷を巡る
2025.09.12
岡崎城と岡崎公園を散策したあとは、岐阜へ移動します。岡崎駅から岐阜駅まではJRの直通列車で約50分~60分で到着します。岐阜駅周辺には、黄金の信長像や長良川温泉付近の歴史的な街並みなど見どころがたくさんあります。
Day 3:岐阜で発酵食文化と長良川の恵みを体感

岐阜は北部の飛騨地域に3000mを超える連峰があり、南部に広がる平野へ向かって木曽川・長良川・揖斐川といった大きな川が流れています。その川の水は「美濃の水」と称えられ、美味しい水を使った味噌などの発酵食品が美味しいことでも有名です。
午前: 長良川うかいミュージアムで鵜飼の歴史と文化を知る

岐阜市に伝わる「鵜飼」は、1300年以上の歴史を持つ長良川の伝統漁法です。鵜匠が鵜を操りながら川魚を捕えるその技は、長良川の鵜匠が宮内庁式部職鵜匠として皇室へ鮎を納める唯一の存在であるなど、他の地域とは一線を画す格式を持っています。
「長良川うかいミュージアム」では、鵜飼の歴史・漁法・鵜の生態をわかりやすく展示。原寸大の鵜舟と絵巻物型スクリーンが連動するガイダンスシアターでは、約10分の映像で鵜飼の世界に没入できます。英語・中国語(簡体字・繁体字)にも対応しており、外国人旅行者も安心して楽しめます。

長良川は古くから良質な水源として知られ、鵜飼で捕れる鮎をはじめ、流域の豊かな食文化を支えてきました。良質な水は味噌や日本酒など発酵食づくりにも欠かせない存在で、長良川流域では水の豊かさがそのまま発酵食の美味しさにつながっています。ミュージアムの見学を通じて、水と人と食がつながる岐阜の文化的背景を感じてみてください。
鵜飼漁が行われる5月11日〜10月15日の時期に訪れる場合は、夜の観覧もあわせてぜひ体験してみてください。
ランチ: 自然派料理店「糧(かりて)」で岐阜の味を堪能

岐阜市で訪れたいのが、「自然派料理店 糧」。この店では、発酵食「熟鮓(なれずし)」をはじめとした伝統的な発酵食文化を、現代の料理として再構築したコースが提供されています。長い時間をかけて生まれる発酵の旨味や酸味を一皿に表現した料理は、嬉しい驚きをもたらします。発酵の奥深さに触れられる場として、国内外の食通からも注目されています。
熟鮓とはどのような味なのか?その背景にある発酵食文化とともに、以下の記事で詳しく紹介しています。
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発酵の知恵「熟鮓」を一皿に丁寧に込めて——岐阜の恵みを映す「自然派料理店 糧」
2025.09.12
午後: 長良川温泉街の風情を楽しもう

長良川のほとりには、風情ある温泉街があり、歩いているだけでも癒されます。温泉街の散策では古いまちなみの中で日本の古き良き時代を感じられるほか、毎年5月から10月には、河岸では鵜飼が漁をする姿も見られます。
長良川流域の食や工芸を集めた「長良川デパート」もぜひ訪れたいスポット。発酵食品をはじめ、地域の暮らしに根ざした逸品が並び、作り手の思想や背景に触れることができます。 単なるお土産店ではなく、流域の文化を立体的に知ることができる場所です。

長良川周辺を楽しんだら、夕方は飛騨高山へ移動します。岐阜駅から飛騨高山までは、高速バスまたは特急列車で約2時間10分~2時間半で到着します。飛騨高山では、ぜひ旅館に宿泊し、日本式のおもてなしを楽しんでください。朝食では味噌汁を味わえる場合があり、そこでも中部地方の発酵食の文化を味わえます。
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2026.03.12
Day 4:飛騨高山で朴葉味噌と地酒を味わう旅の締めくくり

岐阜県の北部に位置する高山市は、飛騨の中心部でもある山岳都市です。周囲を北アルプスに囲まれた飛騨地方は、北アルプスの雪解け水が豊富に流れています。
豊かな雪解け水を仕込み水に使った日本酒や、飛騨の名物料理である「朴葉味噌」に使われる味噌は地元の発酵食文化を代表するものです。
ぜひ飛騨の発酵食文化を体感してみましょう。
午前: 活気あふれる「朝市」と「高山祭屋台会館」を巡る

高山には「日本三大朝市」の一つに数えられる「飛騨高山 宮川朝市」があります。朝早くに開催される朝市では、高山の街を散策しながら地元の食材を味わうことができます。

朝市の開催される宮川流域にある「高山祭屋台会館」では、春と秋に行われる高山祭で使用される屋台(山車)を見学できます。職人文化が根付く飛騨地域の歴史を知ることができます。
ランチ: 「寿々や」で名物の朴葉味噌を堪能

高山市内にある「寿々や」では、飛騨名物である朴葉味噌を味わえます。朴葉味噌は朴の大きな葉っぱの上に自家製の麹味噌を乗せて焼いた料理です。朴の葉は香りがよく、味噌と一緒に焼いた食材は風味がよくご飯が進みます。
岐阜県の食文化は比較的関西に近く、牛肉が人気の食材です。飛騨地方も飛騨牛という牛が有名で、寿々やでは朴葉味噌を使ったステーキが楽しめます。
現在、寿々やは予約を受け付けていないため、直接お店を訪問しましょう。
「日下部味噌醤油醸造」でこだわりの味噌に出会う

高山市の「日下部味噌醤油醸造」は130年以上の歴史を誇る蔵です。冬は寒さが厳しくなる飛騨高山は、味噌づくりに適した地形だと言われています。
日下部味噌醤油醸造では米麹と大豆と塩、そして北アルプスの美味しい水を使った味噌を製造。その味噌からできるたまり入りの醤油も人気商品です。
飛騨高山の郷土料理である朴葉味噌を家で楽しめるよう、日下部味噌醤油醸造の売店では朴葉味噌セットも購入できます。
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2026.03.27
「平田酒造場」で酒蔵見学と試飲を楽しむ

飛騨高山で酒蔵を営む「平田酒造場」は明治時代から日本酒を作り続けています。日本酒は米を麹で発酵させて作る酒で、材料がシンプルなため仕込みに使う水の美味しさが日本酒の味にも直結します。
平田酒造場では酒蔵の見学が可能です。見学コースでは蔵の中を案内してもらうほか、最後には日本酒の試飲もできます。

ショップではお好みの日本酒を購入できるため、見学をしながら自分の好きな日本酒を探すことをおすすめします。
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2026.03.25
高山は高速バスなどの発着地になっており、岐阜市や名古屋だけでなく富山、新宿へも移動可能です。
発酵食をめぐる旅をしよう
名古屋、岡崎、岐阜、飛騨高山、それぞれの地域で育まれてきた発酵食文化は、同じ「味噌」や「醤油」でもまったく異なる個性を持っています。
発酵は単なる食品ではなく、その土地の気候や歴史、人々の暮らしが反映された文化そのもの。このルートを巡ることで、日本の食の奥深さをより立体的に理解できるはずです。
気になるスポットがあれば、ぜひ詳細記事もあわせてチェックしながら、発酵をテーマにした旅を計画してみてください。
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2026.03.25
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2026.01.28